製造工程

醤油の原材料は大豆、小麦、塩と水。
原料処理から製品になるまで約二年かけて造ります。

まず、小麦を炒っていきます。炒熬機という機械で、焼けた砂と一緒に小麦を炒ります。炒った小麦はほんのり色づいてふっくら熱々です。

次は大豆を蒸します。これはNK管と言って、中に大豆が入っています。蒸し上がった大豆と炒り上がった小麦をこの後混ぜて行きます。

蒸し上がった大豆に炒った小麦と麹菌を混ぜ、製麹機(せいきくき)に入れて行きます。このあと室(むろ)の中で寝かせるのですが、室の中の温度は大体、25℃。品温は30℃位に保ちます。三日間かけて、麹が出来上がって行きます。

一日目、製麹機に入れた麹が出来上がって行く段階で、どんどん温度が上がって行きます。
二日目、この温度を下げ、酸素を送り込み、全体を均一にする目的で製麹機を移し替えます。これを手入れと言います。
三日目、麹が出来上がり、いよいよ麹払いの日を迎えます。

出来上がった麹と塩水を混ぜて熟成層に入れます。舞い上がっている粉は麹菌の胞子です。熟成層の中で発酵し、二年以上の熟成が始まります。

冬から仕込んだもろみは、暑い夏には元気に発酵します。もろみは仕込み棒を使って撹拌させ、麹菌や酵母、乳酸菌の働きで更に熟成させることで、醤油特有の香りや味が深まっていきます。約二年間、この発酵・熟成を繰り返します。

もろみを一枚一枚風呂敷に包んで重ね、上から圧を加えてゆっくりと搾ります。
もろみを搾ったものを「生揚げ(きあげ)」といい、生醤油が出来上がります。

直径2メートルほどの大きな木樽に生揚げを流し込み、味を調整します。
木樽は、四代目 松中新治が産まれる前から既にあったもので、今でも現役で使っています。

こうして出来上がった醤油を、四代目 松中新治自らが一つひとつ丁寧に確認し、納得できるものだけを商品にします。

基準をクリアした醤油を、手作業で一本一本瓶詰めした後ラベルを貼り、出荷します。

当社の「甘露」は、再仕込という製法で造られた醤油です。通常は、麹を発酵・熟成させる際に塩水で仕込みます。「再仕込醤油」は、塩水ではなく生揚げを使って仕込むため、うま味と風味が凝縮され、とろみのある醤油になります。こい口醤油に比べて倍の原材料と時間を使って造られる本醸造の最高級品です。

【創業明治二十七年】
昔ながらの製法で造る北九州・小倉の味を、ぜひご賞味ください。

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